やってしまったと思ったら…..

ここはと言えば、よくある劇場のロビー。会場につながるドアが半分開いている。そこから海外のおじ様ヘビメタバンドの超絶ギターソロが激しい爆音で鳴り響いていた。

「おーカッコいい」

今夜共演するんだった。そこである事にふと気づいた。昨日は別現場だったなぁ。

おや今日の譜面持ってたっけ?楽器は?

周りを見渡すと楽器はかろうじて、大きの荷物の間から存在を確認。譜面はヘビメタには必要ないはず、それときっともらってもなかったんだ。多分。

半信半疑なので心臓はバクバクのドキドキ

心配はなお続く。衣装あったけ?スーツケースを開いてもそれらしきものは入っていない。

「やばい」

公演は夜だ。まだ昼過ぎだから、家に電話して持ってきてもらおう!

急いで電話をする。

「もしもし衣装忘れた。今夜持ってきてくれないか?」

すると妻らしき人が、

「なに言ってるの。今日持って行ってたわよ」

もう一度スーツケースを再確認、

「なんだ風呂敷の中にあったじゃないか」

ホッとした瞬間。会場からボーカルの雄叫びと激しいヘビメタサウンドが聞こえてきた。

「さて今夜も暴れるか」

その時だった。

目が覚めた。夢だったのだ。

人の夢ほど面白くないものはない。それは知っている。

がしかし………

ここに記しておこう。

正夢にならないように。


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